刑事事件を示談で解決する方法、示談交渉から示談書の作成、示談金相場まで。

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刑事事件を示談で解決する方法、示談交渉から示談書の作成、示談金相場まで。

被害者がいる刑事事件を起こした場合,被害者と示談することで処罰されない,刑が軽くなる可能性が高くなります。本稿では示談交渉から示談書の作成の際,注意すべきこと,示談金の相場,弁護士費用などについて解説します。

刑事事件の示談とは?

示談とは、被害者に許してもらう合意のことを言います。

示談が成立すると、起訴される前であれば刑事処罰を受けない(不起訴)可能性や、起訴後であっても刑が軽くなる(暴行や痴漢等の刑務所に行くような事案でも、執行猶予がつき刑務所に行かなくても済む。)可能性が高くなります。

示談交渉の方法

自分で示談交渉はできるか?

示談交渉は事件を起こした本人が行うことも可能です。しかし,現実にはほとんど自分で示談交渉を行う人はいません。

まず、被疑者が逮捕勾留されている場合,物理的に示談交渉を自分で進めることができません。また,逮捕勾留されていない場合でも,被疑者本人と被害者に面識がない場合,被疑者本人が被害者に連絡を取ろうとしても連絡場所を知らないことがほとんどででしょう。被疑者が担当した警察官や検察官に被害者の連絡先を尋ねたとしても教えてもらえないことがほとんどです。なぜなら,通常,被害者は面識のない加害者本人に連絡先を教えることを嫌がりますので,警察官や検察官は被害者の意思に反してまで被疑者に被害者の連絡先を教えることはしないからです。

仮に被害者の連絡先を知ることができたとしても,被疑者が被害者と直接交渉することで再びトラブルが発生したり,被害者が弁護士や第三者を同席させ交渉を進めることで,極端に被疑者に不利な条件で示談を成立させてしまう危険もあります。

弁護士に示談交渉を依頼した場合

弁護士が示談交渉を行う場合も,最初に警察官や検察官に被害者の連絡先を聞くことになりますが,被害者も被疑者本人は怖いけど,弁護士であれば話を聞いてもよいという人が多く(もちろん,処罰感情が強く一切応じない方もいます。),被害者の連絡先を教えてもらえることが多いと言えます。交渉においても,弁護士は被害者に直接被害を与えた加害者ではありませんので,冷静な話し合いが行える可能性が高まります。また,被害者が第三者の同席を求めても,弁護士であればその第三者が同席させるべき者かどうか判断できます。

示談交渉まとめ

被疑者と被害者に面識がある場合を除いて,被疑者本人が示談交渉を行うのは難しく,また,弁護士が交渉に当たった方が建設的な交渉を進められ示談が成立する可能性が高まります。

示談書に必要な内容

示談書には,契約書のようにいくつかの条項が記載されていますが,刑事処分を決めるにあたって,検察官や裁判官が気にするポイントを解説します。

被疑者が被害者に支払った金額がいくらなのか

被疑者がどれだけ経済的負担を負ったのかが刑事処分を考えるにあたって重要な要素になります。示談金の相場については事項で詳細解説いたします。

被害者が被疑者を許すといった文言が入っているか

被害弁償を受けて被害者が被疑者を許したのかどうかが刑事処分を考えるにあたって重要な要素となります。

示談書まとめ

したがって,示談書を作成するにあたっては,被害者がいくら受領したか,被害者が被疑者を許すという文言が入っていることに注意する必要があります。なお,検察官は示談書を受け取ると,必ず被害者に連絡を取り,金額の受領と被疑者を許すという気持ちに間違いがないか確認しています。

刑事事件の示談金相場

示談金について決められた金額はなく、犯罪名や態様,被害の程度などにより変わってくるのが一般です。前科前歴のない被疑者であれば以下のような示談金が一般的な相場と考えられます。

犯罪名 示談金の相場 備考
暴行罪 10万円~30万円 罰金上限は30万円
傷害罪 10万円~100万円 罰金上限は30万円
窃盗罪(万引き) 20万円~30万円 罰金上限は50万円
盗撮(迷惑防止条例違反) 10万~50万 東京都の罰金上限は50万円
痴漢(迷惑防止条例違反) 30万~50万 東京都の罰金上限は50万円

なお、ある検察官から,示談金を惜しんで示談交渉を渋っている被疑者に対して,「国に罰金払って前科がつくくらいなら,被害者に示談金を払って前科が付かない方がいいんじゃない。」などと言って示談を促すいう話を聞いたことがあります。

示談交渉の弁護士費用の相場

起訴前と起訴後で弁護活動が異なるため、弁護士費用が分かれることが多いと考えられます。

起訴前

項目 金額
着手金 20万円~30万円
成功報酬 30万円~40万円
※ 不起訴となった,懲役刑相当が罰金刑となった場合

起訴後

起訴後から受任した場合(起訴前の弁護士報酬は発生していない場合)の報酬相場です。

項目 金額
着手金 20万円~30万円
成功報酬 30万円~50万円
※ 執行猶予判決となった,求刑された刑が減軽となった場合
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