不起訴とは?前科がつくの?不起訴と起訴猶予・無罪の違いを解説

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不起訴とは?

不起訴とは,検察官が被疑者を裁判にかけないと決めることを言います。不起訴になった場合、被疑者は釈放され、刑罰を受けることはなくなります。

この不起訴について解説します。

不起訴とは?

不起訴は前科がつくのか?

不起訴になった場合、前科はつきません。刑罰を受けるには裁判にかけられる必要がありますが、不起訴になったということは、裁判にかけられないことになったということなので、前科がつくことはありません。ただし、前科と似たものに「前歴」というものがあります。前歴とは,警察など捜査機関で被疑者として捜査対象となった経歴をいいます。不起訴になったとしても,警察などが被疑者として扱ったことにはなりますので,前歴としては残ることになります。

不起訴と起訴猶予の違い

起訴猶予とは不起訴理由のうちの1つです。不起訴になる理由は20種類あり、最も多いのが起訴猶予です。

不起訴の流れ

不起訴の流れ

刑事事件を最初に捜査するのは警察ですが,事件は検察庁に送られ,検察官も捜査を行います(警察に指示して捜査させる場合もあります。)。そして,最終的にその事件を裁判にかけるか決めるのは検察官です。検察官は被疑者が逮捕され,その後も身体が拘束されている場合(勾留といいいます。),勾留期限内(10日間または延長されると20日間)に起訴するかを判断します。そして,起訴しないと判断した場合,被疑者は釈放されます。

逮捕後に勾留される場合とその対応方法についてはこちら

通常,検察官が起訴しないとの判断=不起訴ですが,検察官も忙しいので釈放された日に事件を不起訴処分と決定することはまれで,釈放された後に事件を不起訴処分とすることが多いです(不起訴処分を決定せず釈放することを,「処分保留のまま釈放」などと言います)。まれに,処分保留のまま釈放後も捜査を続け,証拠が揃った結果,検察官が被疑者の身柄を拘束せず起訴することもあります。

不起訴の種類

検察官が不起訴にする理由を裁定主文といいますが,裁定主文は全部で20種類ありますが,代表的なものについて説明します。

起訴猶予

起訴猶予とは,犯罪が成立することは明白ですが,犯罪の軽重,犯罪に至る経緯や犯行後の被疑者の態度や被害者の感情などにより検察官が起訴する必要がないと判断することです。

例えば,AさんがBさんを殴って,Bさんに怪我を負わせた傷害事件を例にしますと,

  • Bさんの怪我が軽い
  • Aさんが偶々Bさんと口論になってBさんを殴ってしまった(計画的でない。)
  • Bさんの方からAさんを挑発してきた(被害者にも落ち度あり)
  • AさんがBさんの治療費を支払った(被害弁償済)
  • BさんがAさんを許している(被害者が処罰を求めていない)

などの事情により検察官が不起訴とする場合です。

不起訴の中で,もっとも多い裁定主文です。

嫌疑不十分

嫌疑不十分とは,被疑者に犯罪が成立したとする証拠が不十分なときにする処分です。犯罪が成立したとする証拠とは,被疑者がその行為をしたか,そして,その行為が犯罪行為なのか認める証拠がない場合です。

先程の傷害事件でいえば,他にも喧嘩に加わった通行人(その場から逃走)がいて,A,Bともに相当酔っていて,BもAに殴られたのかよく覚えていない,又はBが勝手に転倒して看板に顔をぶつけ怪我を負った可能性がある(看板にBの血が付いているなど)とします。そして,検察官はA以外の通行人がBを殴った可能性,Bの傷害がBの転倒による可能性があり,Aを起訴したとして有罪にするだけの証拠がないと判断したとします。この場合,検察官はAを嫌疑不十分として不起訴とする場合です。

嫌疑なし

嫌疑なしとは,被疑者が犯罪の行為者でないことが明白なときや犯罪を認定する証拠がないことが明白なときにする処分です。

先程の傷害事件でいえば,その後,防犯カメラ映像が見つかり,A以外の通行人がBを殴っていることがはっきり映っている,又はBが自分で転んで看板に顔をぶつけているところがはっきり映っている場合,検察官がAについては嫌疑なしとして不起訴とする場合です。

あまりない裁定主文ですし,頻繁にあっては困ります(防犯カメラの有無などAさんを被疑者とする前に発見してほしいものです)。

親告罪の告訴の取消し

刑事事件には,被害者の告訴がないと処罰できない犯罪があります(器物損壊罪,名誉毀損罪)。これを親告罪といいます。親告罪の告訴の取消しとは,親告罪について告訴があったけど,捜査中に被害者が告訴を取り消したことで,被疑者を処罰できなくなったため不起訴とする場合の裁定主文です。

被害者が告訴を取り下げる場合とは,被疑者と示談が成立する場合がもっとも多いです。

なお,永らく強制わいせつ罪,強姦罪など性犯罪が親告罪とされてきましたが,平成29年7月13日よりこれらの罪は親告罪ではなくなりました(強姦罪は強制性交罪に変更)。

したがって,これらの罪で被害者と示談が成立し,告訴が取り下げられても,親告罪の告訴の取消しとの裁定主文では不起訴となりません。もっとも,起訴猶予の裁定主文で不起訴となる場合が多いと考えられます。

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