会社の破産手続き開始から終了までの流れを弁護士が徹底解説!

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会社の破産手続き開始から終了までの流れを弁護士が徹底解説!

まだ資金繰りはできていても、会社の経営状況が悪化し、改善も難しい見通しとなった場合には、破産の手続きを検討しておくべきです。とはいえ、ほとんどの会社の社長は、自分の会社の破産手続きに関わった経験をお持ちでないでしょう。破産に備えて準備をするにしても、何から始めれば良いのか全く分からないという方も少なくないと思います。

以下では、会社の破産手続きがどのような流れで進んでいくか、破産を検討するのにぜひ知っておきたい事柄を、破産手続きの経験が豊富な弁護士が解説します。

破産手続きの開始から終了までの流れ

破産手続きの開始から終了までの流れ

STEP.1 弁護士に相談する

個人の自己破産手続きの代理は、弁護士の他に司法書士もできますが、会社の破産の手続き(破産申立て)を代理できるのは弁護士に限られています。まずは、弁護士に相談しましょう。

相談の際、会社がどのような仕事をしているか、同様な債権者にどれくらいの負債があるか、会社にどのような資産があるか、資金繰りはどうなっているか等、会社の状況をできるだけ正確に伝えられるように準備したいところです。資料としては、少なくとも直近の決算書類は持参するようにしましょう。その他、会社の規模や状況に応じて、資金繰表や各種契約書等の持参を求められることもあります。特に資金繰りは会社の破産申立ての方針に大きく影響しますので、社長が正確に把握していない場合には、経理担当の従業員から十分聴き取るか、可能であれば相談に同行してもらうとよいでしょう。

相談時に、弁護士から破産申立ての方針や費用の見積もりが提示されます。依頼する場合には委任契約を締結し、以降、弁護士と協力しながら破産申立ての準備を進めていきます。社長自身が対応する必要のある事柄は、事案によりけりですが、営業中の会社の破産申立てのケースでは、会社の資産や営業拠点の現地調査に立ち会っていただいたり、仕掛中の仕事等についての説明や資料の提出をしていただいたりと、かなり多忙となることも少なくありません。多くのケースでは、作業の負担という面でも、精神的な面でも、この時期が社長にとって最も辛いようです。心配なことは遠慮なく弁護士に相談しましょう。

STEP.2 裁判所に破産手続開始の申立てを行う

会社の破産手続きは、裁判所に破産手続開始の申立てを行い、裁判所がこれを審査して、破産手続開始の決定をすることで始まります。

破産手続開始の申立ては、社長に会社の状況の説明や資料の提出等の協力を受け、弁護士が申立書類一式を作成し、これを裁判所に提出します。東京地方裁判所の運用では、申立書類を提出した直後に裁判官と面談し、破産手続開始の時期が決まります。通常は申立日の翌週水曜日の午後5時ですが、税金の滞納があり、会社の財産を差し押さえられるおそれがある場合等、緊急性の高いケースでは、申立て当日に開始となることもあります。

破産手続開始の申立てが受理されると、破産管財人候補者が選定されます。破産管財人とは、会社の破産手続きにおいて、会社の資産を処分して、債権者に配当をすること等を任務として裁判所から選任される弁護士のことです。東京地方裁判所の運用では、破産手続開始決定の前に、破産管財人候補者と打合せをすることが求められています。上記の裁判所での手続きについては、社長は同行する必要はなく、弁護士が全て行いますが、破産管財人候補者との打合せには、社長も必ず同席しなければなりません。

STEP.3 破産手続きが開始される

破産手続きが開始されると、会社の全ての財産を、破産管財人が管理することになります。仕掛中の仕事がある場合に、契約関係をどのように処理していくかも、破産管財人に一任されます。

破産管財人は、会社に残っている資産を現金化して配当の元になる資金を増やしていくとともに、営業の拠点の明渡しなど、最終的に会社が消滅するまでの、いわば“後片付け”をしていくことになります。社長としては、このような破産管財人の業務に協力する義務がありますが、この点は申立代理人である弁護士もサポートしてくれます。具体的に、社長がどのようなことをしなければならないのかは、会社の規模や状況によってケースバイケースですが、一般に、会社が営業中に破産申立てを行うケースでは、拠点の明け渡しやリース物件の返還に立ち会ったり、残務処理に必要な情報の提供をしたりする場合が多いです。

STEP.4 債権者集会が行われる

破産手続開始から3~4か月後に、裁判所で第1回債権者集会が行われます。

債権者集会では、破産管財人が破産手続開始決定以降、会社の財産の処分状況について、裁判所や債権者に報告します。債権者の出席は任意のため、実際に集会に出席する債権者はあまり多くありません。金融機関から多額の借入れがあった場合には、その金融機関の担当者が出席することが多いようです。また、個人や中小企業の債権者について、破産の直前に債務を負担してしまったような場合には、取り込み詐欺ではないかと疑うなど、破産に至った経緯について社長から説明をするよう求められることもあります。

第1回債権者集会までに破産管財人が会社の財産の処分を全て終えている場合には、破産管財人が集めた現金がどれくらいあるかに応じて、配当をするかどうかが決まります。これに対し、処分すべき財産がまだ残っている場合には、事案によりけりですが、2か月くらい先に第2回債権者集会の期日が設定され、以降、処分が終わるまで、第3回、第4回と集会が続行されることになります。社長は、債権者集会には必ず出席しなければなりませんので、次回以降も集会が続く場合には、期日の日程調整ができるよう、手帳などを持って行くとよいでしょう。

STEP.5 破産手続きの終結決定により終了する

破産管財人が会社の財産の処分を終えた後の債権者集会で、配当をするだけの現金が集まらなかった場合には、その期日で裁判所が破産手続きの廃止決定をし、破産手続きは終了します。これに対し、配当をする場合にも、その後の手続きは管財人により行われますので、社長が債権者集会に出席するのはこれが最後となります。

補足:社長の免責手続きについて

会社と同時に、社長個人の破産申立てをしている場合、前記の債権者集会が終わった後で、社長の免責手続きが行われます。具体的には、破産管財人が社長について免責不許可事由の有無を調査した上で、免責の可否について裁判所に意見を述べます。この管財人の意見を参考に、裁判所から免責許可決定が出され、決定書が申立代理人である弁護士に郵送されます。期間としては、最後の債権者集会から1週間程度となるのが通常です。免責許可決定は官報により公告され、2週間以内に債権者から異議が出ない場合には確定します。これにより、社長は会社の連帯保証債務も含め、破産手続開始前に負っていた借金を返さなくてよいことになります。

まとめ

以上のとおり、会社の破産手続きの流れについて解説しました。会社を破産させるには弁護士のサポートが必須であることは上記のとおりですが、破産手続中、社長が申立代理人や破産管財人に協力しなければならないことも多く、弁護士に任せれば後は何もしなくても大丈夫ということではありません。

費用の確保も含め、手続きに必要な準備を確実に行うためにも、早めに弁護士に相談することをお勧めします。

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